サクッと本かじり

ビジネスや日常生活に役立つ情報を、おすすめの本から抜粋してお届けします。

ノーベル経済学賞受賞ダニエルカーネマンの行動経済学

認知容易性

システム1は直感的な思考。システム2は論理的思考をここでは示しています。

気分、字の見易さ(色、太さ、鮮明さ)、経験に認知は左右されることが分かっています。

機嫌が良いとき、調子が良い時はシステム1が働きやすくなり、逆に機嫌が悪いときは、システム1は働きを失い、システム2が活性化します。

字は、赤や青色の方が認知されやすく、太字も細字に比べて認知されやすいです。

さらに見たことがあるという経験によって、その言葉を理解する速度や、読むスピードも未経験な時に比べて早くなります。これは、回数を重ねるごとに強くなることもわかりました。

 

利用可能性ヒューリスティック

これは見たり聞いたりした事のある、利用する可能性の高いものを信じやすくなるバイアスです。例えば、「最近テレビで高齢者の運転事故がいくつか報道されているので、高齢者は注意しなければならない」や、「格安航空の飛行機の墜落した報道が今年2度あったから、不安だ」など、目にしたことがある、知っていることから判断してしまう現象を示します。

 

アンカー

これは船のアンカーのように、ある数字が思考に絡んでバイアスとなる現象を示しています。

例えば、「世界一高いアメリカ杉は1200フィートより高いか?低いか?」という質問と、「世界一高いアメリカ杉は180フィートよりも高いか?低いか?」という質問を、第1のグループが前者、第2のグループが後者の質問を受けました。そのあと、両グループにアメリカ杉の高さはどのくらいだと思うか質問した結果、第1のグループは844フィートと答えたのに対して、第2のグループは282フィートと答えたのです。

これは交渉に生かすことができます。はじめに希望の交渉額を提示するのです。これにより、相手にバイアスがかかり、その金額を基準として考えるようになります。